なるちゃんのレポ置き場

レズを自覚したなるちゃんがえっちなお店とかに行ってみるレポ置き場。故に不定期更新。

女性用性感マッサージに行ったら号泣した話

3月某日、私は池袋のホテルで館内着を着てベッドに座っていた。
そう、今から一時間しない内に私は初対面の人に全裸を見られ、触られる。
緊張感の入り混じったそわそわに意味もなくスマホをいじりながら無料のワインをちびちびと飲み下していた。


女性用性感マッサージに行こうと思い立った理由は単純だ。お姉さんに癒されたいと思った。人肌が恋しくて、できれば柔らかい女の人に優しくされたかった。初対面でもお金を払って頼むなら仕事として割り切ってしてくれると思ったのだ。


連日検索したが出てくるのは男性施術者ばかり。まあそうだよなーと思いつつ探し続けると雰囲気のよさそうな個人サイトを見つけ、数日後予約を入れた。コースは120分、タッチあり。それなりのお値段だった。


前日は落ち着かなくてよく眠れなかった。


当日。
池袋西口は寂れた雰囲気のラブホ街だった。
薄汚れた路地をさまよい、独特な空気にびくつきながら目的のホテルに到着。予定の部屋が空いてなくて予算オーバーな部屋を取った。 


タバコの匂いが染み付いた部屋でどぎまぎしながらシャワーを浴びる。


アジアンな雰囲気の天井を眺めながらフロントからの電話を待っていたら扉ノックされた。電話を警戒していたから心臓が跳ねた。


扉を開けると、素敵な桜色の上着を着たお姉さんが立っていた。柔らかい雰囲気の優しそうな人だった。すっと部屋の空気になじむ人。密かに抱いていた不信感は彼女を一目見て消えた。

シートを引いて準備していく。
準備が整ったベッドに並んで座りカウンセリングをする。その後にお金を渡すと、とうとうマッサージが始まった。
部屋を薄暗くして服を脱いでうつ伏せになる。
緩く話をしながらかけられたタオルを1部ずつはがし、ゆっくりマッサージされる。足の裏からお尻まで押し上げられる。その帰りに割れ目をなぞるように手を滑らせられた。数度のしかかるように乗られ、手の甲側から手を握られた。


仰向けになるよう言われ、とうとう下半身に手が伸びる。触ってもらうが一向に気持ちよくなれない。痛い。体がどんどん冷えていって、暖房を30度まで上げてもらってもまだ寒く感じた。不感症は冷たく感じるって本当なんだとタオルの内側の暗闇を眺めながら思っていた。
その間にも気持ちいい様子を見せなきゃ、この人に悪いとか色々考えて、それが更に体を冷やしていく。
焦りばかりが大きくなっていた時、緩くお腹を撫でさすりながらお姉さんが話しかけてきた。

「自分で触ってきもちいいなら、きっと人に委ね切れてないんだね。何か原因、あるのかな?」

思いついたこと、何でもいいよ。そう続けられた言葉になぜかタオルで隠した目から涙が溢れた。
それと同時に今までの色んな事を吐き出していた。

もう、これでもかというほど沢山吐き出して、泣いた。

そうか、そうか、そうだよね、こわかったよね。

お姉さんは震えながらうずくまる私の切れ切れの言葉を涙声ですくい取って抱きしめ、なで続けてくれた。
薄暗い闇に人の体温と息遣いは、何よりも安心できて、私は泣き続けた。

ようやく泣き止んで起き上がると、色々な話をしつつ甘えさせてくれた。謝る私にいいよいいよ、話してくれてありがとね。と優しく返してくれて、また涙が出た。ハグを求めると応えてくれるのは、子どもの時みたいで心地よかった。


私が落ち着いたのを見ると、お姉さんは温かい紅茶を淹れてくれた。
それをゆっくりと飲んでいる間に先に飲み終えたお姉さんが手早く片付けを始める。
帰り支度を終え、私が見送りのために上着をはおるとお名残惜しいですが、と最後にハグをしてくれた。温かくて、柔らかかった。
お礼を言って手を振って、お姉さんを見送った。
その後は時間いっぱいまでシャワーを浴びたりプラネタリウムで遊んだりして、そのホテルを後にした。



性感マッサージは性的な快楽だけじゃない。
誰かに認められ、触れられ、抱きしめられる体験はきっと誰にでも必要なものだ。
心と体の栄養補給だとどこかの本が言っていたが、本当にその通りだと思う。人肌恋しい人、人生に疲れた人は行ったら心のどこかがきっと楽になるはずだと思う。


恥ずかしくて言えないが(今更)、お姉さんは沢山のいいお話をしてくれた。その一つ一つが今でも私の救いになっている。本当に嬉しかった。


また行こうと思う。今度はゆっくりと話がしたい。